『七夜』という一族がいた。

その力ゆえに外道達から『鬼人』と呼ばれ恐れられた一族がいた。

『凶夜』と呼ばれた者達がいた。

その『七夜』ですら恐れ戦いた悪鬼がいた。

それ故に悲劇的な末期を遂げていった悲しき鬼神達がいた。






しかし・・・その無念は何処に向かうのか?

その怒りは?その悲しみは?その恨みは?

ありとあらゆる負の思念は何処に向かえばいいのか?


かつて出会い、心通じた者に導かれ七夜志貴は一族の負に足を踏み入れる。

そこより始まるは最凶と最凶同士の人間の闘い。 

『凶夜』対『凶夜』と言う有り得る筈の無い悪夢の闘い。

その地獄に足を踏み込む最強の七夜、『七夜志貴』






それに寄りそうは純白の吸血姫か?蒼の代行者か?紅の混血か?双子の感応者か?黒衣の夢魔か?錬金術師か?

そして・・・再会するはもう一人の美しき『凶夜』。






『ずっと・・・ずっと・・・お会いしたかった・・・』







闘いの中志貴の魔眼は新たなる・・・そして禁断の領域に踏み込む・・・




さあ・・・始めよう七夜志貴最大の闘いの物語を・・・

さあ・・・語るとしよう、七夜という一族の真なる歴史を・・・

さあ・・・綴るとしよう、『凶夜』と言う者達の鎮魂歌を・・・

この一文をもって開演としよう。






・・・人は2回死ぬ・・・かつてそう、ある者が言った事がある。
一回目は実際の肉体的な死。
そしてもう一つはその存在を忘れ去られる魂の死・・・
さらには・・・その二つの死を同時に受ける者も居る。
しかし肉体も存在も忘れ去られても、念は消えることは無い。
その怨念が消えるまで・・・その無念が晴れるまで・・・その念願が叶うまで・・・






後書き

   ご無沙汰しております。
   今回のこの話は第一作『路空会合』で深く下げられなかった『凶夜』について、いっその事徹底的にやってみようと言う事で、『路空会合』終了時から構想していました。
   ただその間、書きたいものから先にと思い、『赤鬼再来』・『不動明王』から出しましたがようやく出す機会となりました。
   『路空会合』の比べて更新は遅くなるかと思いますが温かいご支援をお願いします。

一話                                                                                                                                   戻る